二人読書会 vol.2『海をあげる』(筑摩書房)
「沖縄」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか? 2020年に出版された上間陽子さんの『海をあげる』。 私たちが多くを学び、たくさんのことを感じたこの一冊を一人でも多くの人に読んでほしいと思い、読書会第二弾の本として選びました。(2024/5/14収録)
Sayaka & Mitsuru
2024.05.21
読者限定
青い海、広い空、のんびりした空気、ゆたかな自然、美味しいご飯にお酒、暖かくて楽しい旅行先。「沖縄」と聞いてこういう楽しい言葉を連想する人は多いのではないかと思います。多くの人と同じように私たちにもまた、学生時代の友人と一緒に旅行したり、高校の修学旅行で訪問したり、 "東京の人間" としてそれぞれに沖縄を訪れた際の思い出が少なからずあります。
一方で、第二次世界大戦で地上戦の戦場となってしまったこと、終戦後も続いた占領のこと、米軍基地のこと、辺野古のこと、貧困。そういった沖縄の問題とされることを私たちはなんとなくは認識しながらも、きちんと学んだり知る機会がないまま大人になりました。沖縄戦や基地のことは学校の歴史や政治経済の授業で一応学んだけれど、それっきり。そういう人はきっと多いのではないかと思います。
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続きは、10528文字あります。
- 知らないということを知る
- 私たちの知らない沖縄
- 沖縄をちゃんと見てこれなかった
- 友情とごはん
- 絶望しそうなとき
- パレスチナのことと、コミュニケーション
- 知らないうちに加担させられてしまう世界
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